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プログラミングのコスパは高い (2024/07/27)
高校を卒業した貴方は、将来を案じて、何かしらの専門性を持ちたいと思った。
一日、3~4時間を3~4年間、何かに没頭すれば、それの専門家になれるのではないか? それで食っていけるのではないか?
5,000時間で報われる専門性って何だろう?
ピアニストを目指す
ピアノを練習して、ピアニストになろう……これは絶対に無理だ。
高校生からサックスを始めてプロになる漫画はあるが、高校生からピアノを始めてプロになれる漫画なんて、見たことない。他の楽器はそこまで厳しくはないだろうが、それに近い厳しさはあると思う。
楽器の練習に 5,000 時間掛けるのは、割に合わない。人生が切実なら、尚更だ。まぁ、これは極端な例ではある。1,000人に一人すら、プロになれる人はいないだろう。純粋な楽器演奏以外の能力と組み合わせられるのなら、話は違うけど。
「何千時間費やしてもプロは程遠い」……そういった専門性は多いと思う。取り組む前によく考えた方が良い。
クリエイター系をを目指す
小説家、イラストレーター、漫画家……などなど。
これは、才能さえあれば、芽が出る気がする。5,000時間本気で打ち込めるのなら、未経験から始めても 100人に一人ぐらいはプロになれるのではないか、そんな気がする。
クリエイター系は
「いくら続けても上手くならない」という罠があるのが難しい。成長しない人は、まったく成長しない。それでも本人は上手くなっていると信じている。「どう、上達したでしょ?」と友人知人に作品を見せたけど、微妙な表情をされた事、あるはず。
人生をコントロールするのが難しい。
プログラマになる
プログラミングを 5,000時間続けられたら、それはもう
即戦力プログラマと言って良い。よほど人格に問題がなければ、引く手あまただ。2人に1人は、プロになれるだろう。
余りにも才能がない、取り組み方に問題がない限り、続けられるのなら、プロになれる。社会に出て数年で、平均以上の給料が貰える。こんなにコスパが良い専門性はない。もし貴方が、誇れるような学歴がなく、少しでもプログラミングに興味があるなら、始めてみると良い。
ただ、簡単な事を続けるのだけは、やめた方が良い。「色んなプログラミング言語で Hello World する」みたいな事は良くない。複雑で、大規模で、難易度の高いものにシフトしていく必要がある。
1年目は、とにかくがむしゃらにプログラミングをすると良い。
パソコンに向かって何時間でも取り組める癖をつくる。何かしら作りたいものがあると良いだろう。ゲームを作るでも良い、アプリを作るのでも良い、グラフィックスプログラミングでも良い。
ある程度規模が大きく、やる事がいくらでも見つかるものが良い。
2年目は、もし1年目の取り組みが楽しく、高みを目指せるのなら、そのまま突っ走れば良い。そうでない(立ち止まっている感じがする)のなら、低レベルなものに取り組むと良い。低レベルと言っても簡単なものではなく、CPU、GPU、メモリ、OS、マルチスレッドなど、ハードウェアに近いものに取り組むと良いと思う。この辺りを良く理解しているプログラマは、信頼に値する。苦手なら苦手で、他の専門性を持つのでも良いと思う。向き不向きはある。
3年目以降は、社会との関わりを持とう。アプリを作って、リリースする、マネタイズする、人気を得る。何度もも作って、世の中を理解する、自分を理解する。自分の専門性が、どこまで通じるか探っていこう。この感覚は、将来独立する時に重要になる。
最後に、大事なのでもう一度。誇れるような学歴がなく、何かしらの専門性が欲しく、コンピュータが好きなら、プログラミングを学ぼう。プログラミング学習のコスパは非常に高い。AIが進歩しているとは言え、専門性の高いプログラマの仕事が簡単に奪われるとは、まだまだ思えない(AIは厳密さが必要なものが苦手なので)。プログラミングを身につけると共に、社会の仕組みを学んでいければ、そこまで危惧することはないと思う。